女性のからだの相談が気軽にできる場が少ない
「きっとわかってもらえない」という思い込みが遠ざける予防ケア
まずは女性特有のホルモンバランスのことをよく知ること
大切なパートナーや友人へ女性特有のからだの悩みを語れる関係を築くには、まず卵巣から分泌される2つの女性ホルモンについて知る必要がある。
女性らしいボディライン、肌や髪の潤い維持などに影響を与える「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と妊娠を維持するために必要な「プロゲステロン(黄体ホルモン)」
40代半ば以降、プロゲステロンが先に少なくなり、残ったエストロゲンが優勢になりがちになるために更年期症状が出るというのは、何となくわかるかもしれないけれど...。
じゃあ、女性ホルモンがどのように分泌され、からだのどこでつくられるのか?と聞かれたら?
わたしも最初は答えられなかった。
実は、女性ホルモンは、自律神経を司る脳の視床下部からホルモンを出すよう卵巣に指令し分泌される仕組み。
コレステロールが原料となり、卵巣でつくられている。
このため、脳にストレスがかかると自律神経が乱れ、ホルモン分泌がうまくいかなくなることがあり、生理周期の乱れや、めまい、疲労感、肌荒れ、不眠...といったトラブルが起こりやすくなる。
ハーブティーは、自分のからだを肯定できるきっかけになる
バランスをとるのが難しい女性のからだと相性がよいケアとして、おすすめしている簡単な方法はハーブティーを飲むこと。
熱湯で抽出した水溶性の成分を直接体内に取り込むことができ、続けることで植物に含まれるさまざまな薬理効果がゆっくりと包括的に身体の調子を整えてくれるので、本来もっている自然治癒力をサポートしてくれる。
分泌量が先に減っていくとはいえ、プロゲステロンを高めるにはエストロゲンも高めないと意味がないので、両方の成分をバランスよく取り入れることが大切だ。
ホルモンバランスを整える5つのお守りハーブのススメ
チェストベリー(チェストツリー)
女性ホルモンのプロゲステロンと似た作用をもち、ホルモン中枢である脳下垂体に働きかけ、ホルモンバランスを調整してくれる。
ヨーロッパではPMSケアや妊活、婦人科系トラブルに用いられることが多いハーブ。茶葉は少し苦みがあるので、水や白湯にたらして取り入れやすいハーブ濃縮エキス(チンキ)がおすすめ。
メリッサ(レモンバーム)
チェストベリーと同じく、女性ホルモンのプロゲステロンと似た作用があることから、フランスなどヨーロッパの婦人科ではよく使われているハーブ。
月経痛、生理不順のケア、月経前のイライラなどのメンタルケアにおすすめ。
レディースマントル
こちらもプロゲステロンと似た作用をもつハーブで、特徴は、月経過多や不正出血のコントロールをし、月経周期を整えるサポートをしてくれるので、月経痛のケアにも役立つ。
イブニングプリムローズ(月見草)
不飽和脂肪酸のガンマーリノレン酸が豊富に含まれており、月経痛やPMS症状、正常なホルモン分泌を助けてくれるハーブ。ティーもあるけれど、酸化しやすいのでカプセルのサプリがおすすめ。
COSME KITCHEN WEB STORE【HERBORISTERIE】オイルカプセル月見草
セージ
エストロゲンの作用がある代表的なハーブでブラックコホシュがあるけれど、より取り入れやすくおすすめなのはセージ。
エストロゲンを補い、月経痛や月経周期の乱れを整えるサポートハーブ。特に発汗調節に良く、ホットフラッシュなどのケアにも。
以前にセルフケアの相談に乗っていた方も、ハーブを日常生活に取り入れ、体調が安定してくると、自分の力でケアできることへ安心感が高まり、女性としての自分自身を受け止められるようになっていったのが印象的だったのを覚えている。
ストレスに直接効く薬はないからこそ、自律神経やホルモンバランスを整えるケアの一つとして、女性のからだのお守りハーブを取り入れてみることをおすすめしたい。
もっと女性性を楽しみ、からだが満たされる暮らしを
出産をする・しないに関わらず、女性ホルモンを大事にすることは、あなた自身を大事にすることと同じ。
竹内 亜希子 Akiko Takeuchi
-植物療法士(フィトセラピスト)
-女性の健康経営推進員
-健康経営エキスパートアドバイザー
幼少より10年間シンガポールで暮らす。
帰国後、会社員として働く中で余白時間を奪われる社会の渦に揉まれ、20代半ばに坐骨神経痛を一年患い、根本改善のためにストレスケアにフォーカス。食生活改善と植物療法を実践し、3ヶ月で完治。
植物療法士として、働く世代の女性の心身のセルフケア、ストレスやホルモンバランスの体の変化をコントロールできる体質づくりを指導。
オリジナルハーブティーブレンド 販売、カフェ等の店舗向けオリジナルハーブティー商品企画・提供、大切な人とのヘルシーな時間を追求するカルチャーメディア『Documentary Gift 』を運営。
現在は、ヘルスケア企業にて、健康保険組合や企業に向けた生活習慣改善プログラムの提供・運営や健康経営推進、中でも女性の健康づくりに注力。
働く女性にとっての「からだにいい生き方」や予防のための「セルフケア」を継続する暮らしのつくり方を伝えている。
趣味:日々の楽しみは、心打つライブと毎日調合するハーブティー、そして家族と食卓を囲う時間。