頂き物のハーブティーの茶葉、なんとなく「美味しい」でおわっていませんか?
せっかく、味を気に入っても、飲み終わった後、何を選んでいいか、どう日常に取り入れていいかわからない。
そんな声を、セルフケアのご相談でも多くいただきます。
種類が多いのでなかなか選びきれない。
色々ブレンドされている
美容ティーを買い続けているけど
そこから先どうしていいかわからない。体に合ったものを選びたいけど
効能がたくさんあって難しい・・・。
私自身も、よく目にする10種類近いハーブブレンドって、その中身を把握しきれないし、「ふーん、身体に良いんだ」「美肌に効くんだ」でおわってしまうことはよくありました。
やっぱり、中身を知らなければ、ちゃんとしたケアにはならないし、自分が何を次に必要としているかも見えてこない。
そこで今日は、33歳の女性が、頂き物のブレンドの中身からハーブをピックアップして、本当に欲する味に出会っていくまでの体験談をご紹介します。
「これがないとだめ」となりがちな10種類近い美肌ブレンドではなくシングルハーブにも目を向けよう
フリーランスのWEBデザイナーKさん(33歳・女性)は、自宅で作業していると集中しすぎて休む時間をうまく取れずにいたそうです。
気付いたら、食事の時間もバラバラになってきて消化機能が弱ってしまい、前に知人の方から頂いたという10種類くらいのハーブティーブレンドを続けてみることに。
たくさん種類が入っていて良さそうなので同じものを買っていたという、そんな時。
このまま同じ種類のハーブティーを飲み続けても症状は緩和されていくのだろうか?
美味しいけれど毎回同じ味だし、何がどう良いのかわからず飽きてきている。
と疑問とマンネリ感が生まれてきたそう。
ハーブティーの成分は、水溶性なので、水に溶けると排出され、数時間後、汗や尿になり外に出ていくので副作用がない分、続けていくことが大事です。
なんとなくで飲み続けていると、「美容ドリンク」をひたすら飲み続けるのと同じようなもので、それがないとだめとなりがちに。
飽きもはやく、楽しみも湧いてこない。
さらに、実際感じている通り、10種類近くもあると自分の身体に何が合っていたかがわからない。
ハーブは、たくさんの茶葉ブレンドに頼らなくても、からだをあたためたい人やなかなか眠れない人など、それぞれ向いている植物の特徴があります。
お気に入りのブレンドだけではなく、自分にとって何が必要かを考えてみて、シングルハーブにも目を向けてみましょう。
実は、ハーブの種類は桁外れで数えきれない
ハーブは、薬効成分が確認された植物の事を総称して呼んでいるのですが、実はその正確な数ははっきりしておらず・・・さすが自然の恵み。多すぎて数え切れません。
カモミールやラベンダーなど主にヨーロッパから伝わったハーブたちを思い浮かべることが多いですが、日本にもシソ、ショウガ、サンショウ、ワサビなどがあるように、それぞれの地域の民族に固有のハーブがあるわけです。
家の周りに勝手に生えてくる雑草も、タンポポやスギナ、オオバコなど・・・立派なハーブだったり。
スパイスとして使われるもの、料理に入れて食べるもの、茶葉にされるものなど、それぞれ代表的なハーブだけでも数十種類ある。
その中で、市販のハーブティーは人気のある何種類かのハーブやそのハーブを使ったブレンドなどに集中してしまうので....。
ハーブショップでシングルハーブや、いくつかブレンドしてもらい試飲してみて自分の感覚で選んでみることをおすすめします。
改めて選んだハーブは2~3種類
今回は、Kさんがもともと飲んでいたブレンドから好きな香りや味のものを単体で試して、再度選ばれたのはすっきり系のペパーミントでした。
2~3種類に数を改め、消化を助けるハーブとしてダンディライオンやジャーマンカモミールとペパーミントのブレンドを中心に続けてみた結果...。
それぞれの味わいもわかってきて、たまに単品にしてみたり、2種類にしてみたりと、自分で味の変化を楽しめるように。
ゆっくりお茶を飲む時間を取ったことで、食生活の乱れが、「いかに自分の胃腸に負担をかけていたかもようやく身にしみてわかった」と話してくれました。
ハーブは、五感をフルに使って色も香りも味も楽しめるので、色々な種類のブレンドになることで、相乗効果や味の変化も味わえます。
一方で、よくばりすぎると、「多ければいい」「これさえあれば」という発想に偏りがちになる方がとても多く、結局楽しめずに続けられなくなることも。
あくまでも、自分の力で身体を整えることや感じることが前提で、ハーブはそれをサポートする脇役。
だからこそ、シングルハーブや少ない数で試して、4~5種類くらいまでの把握できるお気に入りのブレンドを並行して楽しんでいくと、飽きずに続けていくことができます。
次に欲しているものは女性らしさと夫婦で楽しむ時間だった
Kさんは、余白時間が取れないとすぐに食生活が乱れて症状が出ることから、見えてきたのは胃腸の痛みが神経性によるものが強いことでした。
単純に休息が取れずに体に負荷がかかり、バランスが崩れやすくなっていたので、日常に少しの余裕をつくることが必要だったんですね。
そこで、リラックスしたいときに向いているリンデンフラワーや女性性を高めたいときにおすすめのローズなどのハーブを足し、何度か飲んでみた後、彼女が気づいたのは、治すということに集中して視野が狭くなっていたこと。
「実は、ローズの香りはあまり得意ではなかったけれど、自然のローズの香りってこんなに品があって、違うものなんですね。
もう女性らしい品がある香りが好きだということを忘れていたし、治すことばかりに目がいって自分のことで一杯になり、ぜんぜん家族との時間や一息する時間を取っていなかったことが身に沁みました。」
身体を改善することが目的ではなく、「お茶を淹れるために作る時間、夫婦で楽しむ会話の時間をもっと取りたい」と、その先の景色が見えてきたことで、大きく行動に変化が。
相手のために好きな味のお茶を買ってきたり、相手との時間を楽しむためにお茶に合う和菓子を買ってきたり。
自分の力で自然とからだのリズムを整えることができるようになっていきました。
中身を深く知って、枠をつくらないこと
モノを部屋に増やしすぎてわからなくなるのと同じように、ハーブティーもブレンドの種類が多すぎると、その分、自分の感性や変化に気づきにくくなるもの。
日常生活の中で日々訪れる
「これを取り入れてみよう」
「あの方法に変えてみよう」
こういった普段何の気なしにやっていることを、その分岐点を見過ごさず、より良いものを見つける工夫をしてみると、必ず、その時のきっかけが見えてきます。
今回のKさんも、身体のためのハーブティー選びでつまづいて改めてその中身を知ったことで、視野が広がり、大切な人と楽しむ時間や味への発想に変化が起きました。
ハーブティーを飲む時、「なぜこれを選んだのか?」きっかけを思い返して、好き嫌いや身体の正直な反応を見てみる余裕をもつこと。
ぜひ、大切な人とのシェアする時間を通して、自分の世界の枠を外すことで新しい味を見つけていく楽しみをもってくださいね。
竹内 亜希子 Akiko Takeuchi
-植物療法士(フィトセラピスト)
-女性の健康経営推進員
-健康経営エキスパートアドバイザー
幼少より10年間シンガポールで暮らす。
帰国後、会社員として働く中で余白時間を奪われる社会の渦に揉まれ、20代半ばに坐骨神経痛を一年患い、根本改善のためにストレスケアにフォーカス。食生活改善と植物療法を実践し、3ヶ月で完治。
植物療法士として、働く世代の女性の心身のセルフケア、ストレスやホルモンバランスの体の変化をコントロールできる体質づくりを指導。
オリジナルハーブティーブレンド 販売、カフェ等の店舗向けオリジナルハーブティー商品企画・提供、大切な人とのヘルシーな時間を追求するカルチャーメディア『Documentary Gift 』を運営。
現在は、ヘルスケア企業にて、健康保険組合や企業に向けた生活習慣改善プログラムの提供・運営や健康経営推進、中でも女性の健康づくりに注力。
働く女性にとっての「からだにいい生き方」や予防のための「セルフケア」を継続する暮らしのつくり方を伝えている。
趣味:日々の楽しみは、心打つライブと毎日調合するハーブティー、そして家族と食卓を囲う時間。