20代の頃はからだに起きるトラブルをうまく改善できなくて、なかなか苦労していた。
髪は自分の力で育てていくもの
髪質に悩みがないほうの私は、肌のケアほどは頭皮ケアやヘアケアはやらずに生きてきた。
でも、年齢や環境、さまざまな変化で肌や体調が変わるのと同じように髪の状態も変わる。
30代に入り、とつぜん皮がむけるというトラブルが起きて、いろんな頭皮美容液を試してみたり、一過性の対処法をしながら、なかなか抜け出せずにいたとき。
ようやく実感としてわかったのが、頭皮も髪も、血液から作られるということだった。
髪自体は、ほぼタンパク質で出来ているけれど、栄養分を運んでいるのは、からだの血液。
髪の状態は土壌の環境で決まる
「ボタニカルやオーガニックなら良さそう」ではなく、自分に合うか合わないかで選ぶ
そんなイメージが先行しているかもしれないが、はたして本当にそうなのだろうか?
ボタニカルは植物由来成分を使ったもので、オーガニックは有機栽培した植物成分を使用し、添加物を使っていないなどの基準をクリアした商品。
要は、「基準があるか、ないか」の違いだ。
ただ、日本では食品の場合は「有機JAS認定」の基準があるが、化粧品関係に関しては国が管理・監督する認証機関はなく、協会などの基準がバラバラで、各メーカーの判断によってオーガニック成分を使っていればシリコンなどが入っていてもオーガニックシャンプーと言っていいという曖昧なルールになっている。
それもあって、最近では世界のオーガニック認定機関基準にそった独自基準を設けて、シリコン・パラベン・鉱物油フリーで100%精油調合、ナチュラル原料95%以上配合でありながらコスパが非常に高くドラッグストアで買えるTHE PUBLIC ORGANICのような商品が消費者に支持されている。
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ただ、それでも結局、生活環境、肌質、年齢、性別、嗜好にもよるので、自分に合うか合わないかなのだ。
本気で質の良い植物の精油成分を使っているものは価格も高く効能も多くパワフルだし、ケミカルも日々進化している。
わたしは経験上から、良い頭皮環境を維持するには植物由来だけにこだわらず、髪・頭皮・肌、ストレスケアといった「全体を良くしていく」ために、ケミカルとボタニカルどちらの視点も持って必要なサイエンスを取り入れる意識をしている。
ボタニカルやオーガニック=安心・安全ではなく、どんな成分が使われているのかを見て、いかに今の自分に合ったものを選ぶことのほうが大事だと身をもってわかっているから。
私を綺麗にしてくれるシャンプー&トリートメント3選
できれば、フェイシャルのスキンケアと同じように、長い目でセルフケアをしていける効果的なシャンプーを選びたい。
ということで、頭皮を育て全体のケアをしていくタイプや肌を綺麗に映すツヤが出るタイプなど、使い続けることでトータルで美を育てていけるシャンプーをピックアップ。
アロマ好きの方は必見のスペシャルケアに取り入れやすい精油も選んでみた。
「頭皮ケアは肌にもいい」COTA SERA Spa(コタ セラスパ)シリーズ
シャンプー 300ml 2,500円/800ml 5,500円(税抜)
トリートメント 200g 2,800円/800g 7,000円(税抜)
我が家では大サイズを夫婦兼用で使っています。
低刺激、低脱脂で頭皮と髪をバランスよく洗うシャンプーと頭皮を保湿し、髪のダメージをしっかり補修するコンディショナー。
特徴は、菌の繁殖を抑制し、フケ・かゆみを防ぐ有効成分ピロクトンオラミン、頭皮の荒れを抑制する甘草由来エキス、頭皮の水分・油分のバランスを整え、紫外線による酸化を抑え、頭皮のターンオーバーを正常化する両親和性ビタミン誘導体(ビタミンEとC)などが配合され、スカルプケアに特化しているところ。
このセラスパシリーズ以外にも、髪の状態に合わせて組み合わせる髪質改善シャンプー「i CARE(アイケア)」もおすすめ。
COTAはサロン専売品で、種類によっては美容サイトなどのオンラインで購入できるものもあるけれど、セラスパシリーズは取り扱っているサロンでの購入となるのが正直面倒...(笑)なんですが。
けっこうシャンプーだけ買いに行く人も多いそうなので、頭皮ケアに特化したシャンプーを使いたい人はぜひ!
(※掲載のサロンは一部で、他でも取り扱っているサロンは多数あり、わたしの通っているサロンも載っていませんが取り扱っています。ご自身の通っているサロンでも確認してみてくださいね。)
「アロマで頭皮の底上げとストレスケア」Josiane Laure(ジョジアンヌロール)
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シャンプー 200ml 4,200円/500ml 9,400円(税抜)
トリートメント 110g 4,000円/270g 8,800円(税抜)
しかし金額が高い...!個人的には一定期間集中ケアや思い切ってシャンプーではなく、頭皮活性エッセンスやヘアパックを買って、スペシャルケアに盛り込むのが◎
フランスエステ界の第一人者であり、 世界3大アロマテラピストの1人とされるジョジアンヌ ロールが、ブルターニュ地方の海藻のミネラルと、 100%天然のエッセンシャルオイルを贅沢な濃度で配合した頭皮ケアシリーズ。
植物療法(フィトテラピー)、芳香療法(アロマテラピー)と東洋思想のツボ療法を組み合わせた独自の「フィトエステティック」メソッドは、パリの5つ星ホテルやホテル・リッツにも取り入れられている。
からだの緊張状態が続いた時の自律神経の働きに注目し、ストレスと関係深い頭皮の悩みに包括的にメンタルからアプローチしていくシャンプー・コンディショナー。
特にアトピーや湿疹、薄毛、円形脱毛症などの深刻な頭皮の悩みを抱えている人や髪の立ち上がり、ふんわり根元の綺麗な髪をキープしたい人に。
まずは、「ジョジアンヌロールデビューキット6点セット(送料無料)」5,300円(税抜)がおすすめ。
「カラー持ちとツヤUP」rasica
シャンプー/トリートメント各400ml 2,250円(税抜)
カラーをしている人はデイリーケアに別のシャンプーを使って、カラー後の2~3週間はこちらを使うとカラーの持ちを良くしてくれる。夫からは美容院に行きたての香りが持続していて新鮮というコメント◎
化粧品メーカーが開発した毎日髪にグロスを塗るように考えられた紫色の光で透明感をキープするシャンプー・コンディショナー。
ノンシリコン・パラベンフリー・鉱物油フリーなのにしっかりした泡立ちで、カラー退色時の嫌なオレンジ色を補色の紫色でカバーして、洗い続けることでキューティクルが整い、なめらかでツヤのある髪に。
カラー後、数週間経つと退色してしまうのを防いでくれるのは、仕事が忙しいときや子育て中で頻繁にカラーリングをしに行けない女性にうれしいポイント。
サロン専売品だけど、オフィシャルオンラインショップで購入可能。
番外編「精油をたらして、簡単おうち頭皮ケア」
シャンプーケアにプラスしたり、シャンプーはクオリティをまだUPできないという場合もスペシャルケアとして取り入れたいのが精油の頭皮ケアだ。
SHIGETAブレンド精油「ミッドナイトラスター」
SHIGETAの精油は非常に品質がよく、「使った時に効く」オーガニックブランド。
何よりも精油同士の毒になる部分を消し合うようにブレンドしているので、通常は希釈をして使う100%精油でも直接肌につけることができる。
ミッドナイトラスターは、ローズマリー、シダー、セージ、ケードなどが含まれるスカルプケアブレンドオイル。
日本では聞き慣れないケードは、フランスでは皮膚科医が乾燥対策、フケ予防など頭皮の治療に使うマストの精油と言われているもの。
シャンプー後に使うタイプで、両手をしっかり使い、ワシワシと圧力をかけて揉み込む。
【ヘッドマッサージ方法は2パターン】
●デイリーケア
シャンプー後、髪の生え際に5滴つける。
●ディープケア
1週間に1回、50滴を頭の前からてっぺんの地肌につける。
高品質な精油は肌への浸透度が高いという通り、ミッドナイトラスターも大部分が頭皮へ吸収される。
頭皮がやわらかくなって、赤みが改善するのが実感できるので、美容院でディープケアをすると1万円以上かかることを考えると、5,000円くらいで日々デイリーケアできたほうが断然おトク。
頭皮を育てる精油3選
使っているシャンプーに精油を1~2滴たらして使うのも手軽でおすすめなので、頭皮によい精油3種をピックアップ。
「パルマローザ」
フケやかゆみ、抜け毛に悩んでいる場合は、雑菌から頭皮を守り、皮脂バランスを整えてくれる。
「イランイラン」
頭皮の血行を促進し、パサつきを改善しハリやコシのある髪をつくってくれる。
「ローズマリー」
血行をよくし、頭皮を引き締める作用で顔の肌が引きあがり、たるみも軽減。
自分のライフスタイルに合う頭皮ケアを取り入れて、まずは1カ月、そして2カ月、3カ月と続けてみれば頭皮が耕され、健康な髪が生える土壌ができていくはず。
内側からのヘアケアのために使いたい3つのハーブティー
髪の毛の悩みに必要な栄養素は、鉄分や亜鉛、ケイ素などのミネラル。
外側からのケアだけでは今問題がなくても、見えないところが行き詰まり、ゆくゆくからだの不調が起きて、その場での対処を繰り返すことになる。
私自身、「必要なものを内側からしっかり摂取していく習慣をつければ、細胞は生まれ変わる」という意識をもって、食生活の改善のひとつに「お茶のケア」を取り入れてみたことで、からだが巡るようになっていった。
スギナ(ホーステール)
アルカロイドやシリカ、二酸化ケイ素などのミネラルを豊富に含み、コラーゲンやエラスチンなどの結合組織を強化し、髪や肌の再生に役立つハーブ。
スギナ茶より粉で摂るほうが効率よく吸収できるので、パウダータイプでサラダなどの食べ物に混ぜたり、水で溶いて飲むのも効果的。
ネトル
浄血・造血作用のあるネトルは、鉄分やビタミンCをバランスよく含み、貧血予防、アレルギー、肌荒れ、蕁麻疹などの予防、体質改善に役立つハーブ。
毛細血管まで血液を巡らせることから、栄養素が一番最後に運ばれるという髪の毛の毛母細胞まで行きわたるようになり、健康な髪が生えやすい環境を整えてくれる。
高麗人参
月経不順や妊活など婦人科系の症状に幅広く使用され、調整機能に優れている高麗人参。
高麗人参の主成分であるジンセノサイドには血流を整える作用があり、体中に張り巡らされた血管は栄養を全身に運ぶ重要な働きをしてくれる。
アミノ酸も豊富に含まれ、強い抗ストレス作用があり自律神経を整えることで交感神経と副交感神経のバランスを整えてくれるので、精神的なストレスや肉体疲労、免疫が下がったときにリラックス効果のあるハーブ。
ハーブティーは副作用がゼロで、飲用して数時間後に汗や尿になって体外に排出されるので、1日の中で2~3回に分けて飲むことを続けていくと、免疫が上がり、ゆっくりとからだ全体が良い方向に改善していく。
実際、ストレスで髪の毛やまつげなどが抜け落ちてしまった方も、植物療法で根本治療をすることで自然治癒力が増し、元に戻っていっている方を何人も目にしているので、ハーブティーのお手軽ケアは1種類でも取り入れてほしいと思う。
20代の時はヘアサロンで良いシャンプーをおすすめされて、たまに買ってみるも続かない。
その繰り返しだった。
わたしの場合は、髪質に大きなコンプレックスがなく、正直どれを使っても、当時美容師さんからいわれていた、その差がよくわからず...。
それが、長らく「シャンプーにそんなお金はかけられない」と数千円もするシャンプー、トリートメントを揃えることは選択肢に入らなかった理由。
でも、30歳に近づいたとき、頭皮の状態が悪くなり、皮がむけ始め、「急なフケ症」のような状況になったことで、今まで感じたことのない大きなストレスを毎日感じはじめる。
(鏡を見て触るとパラパラ落ちるレベルで衝撃だった...。)
頭皮を育てて、艶のある暮らしを
竹内 亜希子 Akiko Takeuchi
-植物療法士(フィトセラピスト)
-女性の健康経営推進員
-健康経営エキスパートアドバイザー
幼少より10年間シンガポールで暮らす。
帰国後、会社員として働く中で余白時間を奪われる社会の渦に揉まれ、20代半ばに坐骨神経痛を一年患い、根本改善のためにストレスケアにフォーカス。食生活改善と植物療法を実践し、3ヶ月で完治。
植物療法士として、働く世代の女性の心身のセルフケア、ストレスやホルモンバランスの体の変化をコントロールできる体質づくりを指導。
オリジナルハーブティーブレンド 販売、カフェ等の店舗向けオリジナルハーブティー商品企画・提供、大切な人とのヘルシーな時間を追求するカルチャーメディア『Documentary Gift 』を運営。
現在は、ヘルスケア企業にて、健康保険組合や企業に向けた生活習慣改善プログラムの提供・運営や健康経営推進、中でも女性の健康づくりに注力。
働く女性にとっての「からだにいい生き方」や予防のための「セルフケア」を継続する暮らしのつくり方を伝えている。
趣味:日々の楽しみは、心打つライブと毎日調合するハーブティー、そして家族と食卓を囲う時間。