ある日、目に飛び込んできた世界観に一目ぼれをして問い合わせをした福岡のオートクチュールクセサリーのブランド「itoiro」さん。
わたしはアクセサリーの中でもここ数年はとりわけピアスに重きを置いていて、ネックレスをつけずに耳元で存在感のあるものをつけるスタイルが自分の中でバランスがいい。
耳も首も指も全部つけるのはコテコテすぎて、首元はたまに華奢なネックレスをつけることがあっても基本は何もなしで鎖骨をきれいにしていたいタイプ。
結婚式のときもネックレスはつけず、オーダージュエリーのピアスを作ったのだけれど、挙式後にも引き続きインスタグラムで普段使いのピアスの画像を探していたときに見つけたのが、このブランドとの出会いだ。
一目見たときに、一体どうやって作られているのかわからず、目をうばわれ、素材はまさかの「糸」であることを知る。
細い1本1本の糸でこんな繊細なものができあがっていることに驚きを隠せなかったと同時に、「これを自分の一部として身に着けたい」と強く思ったのだ。
繊細なパーツや糸を用いるからこそオーダーできる形やカラーイメージは無限大
アクセサリーでここまで作り手側とオーダーをする側のオリジナリティを表現できるポテンシャルをもったブランドはめずらしいと思う。
それは、ジュエリーなどの固い金属や石では実現が難しい繊細なラインの表現と糸のカラーが濃い、淡いを含めて既製品でも色々と種類があるだけでなく、希望があれば染色可能(有料)だからだ。
こういった芸術作品は通常ブランドイメージ(デザイナーの特徴など)が先行し、それに引っ張られる形で作っていくものが多い。
もちろん、それがブランドの持ち味ともいえるのだけれど、itoiroとしての世界観は保ちながら、顧客と2人で一つの作品を紡ぐような作品スタイルなのである。
美しいラインに沿って、一針一針、言葉では表現できないグラデーションカラーなどが編み上げられていく物語はまるで自分の中の小さな宇宙がつくられるような感覚を与えてくれる。
これは、アーティスト側の感情を受け取る感性と糸のもつ自由自在な可能性がわたしたちに「どんなものでも自由につくることができるんだ」という、枠をとっぱらった“無限大”さを感じさせてくれるからだろう。
こちら側が「心からこうしたい」思っていることをオープンにすることができるからこそ、自分の宇宙をつくることにこだわれる作品が生まれるのだと思う。
3つのニーズを網羅している軽くて存在感のあるピアス
ただビジュアルが良いだけでなく、自分の感覚とからだに合う条件に合っていないと、肌に身に着けるアクセサリーは長く使っていくことが難しいので、わたしにはピアスを買うときに見るポイントが3つある。
1.存在感があるもの
人の印象は目などの顔のパーツよりも全体の印象のため、ヘアスタイルと耳元は目に届きやすい顔周りのアイテムに入る。
顔に近いからこそ「似合う・似合わない」があるのだ。
わたしは顔周りが小さめなので、存在感のある大きさを付けたい願望がありつつも、華奢な印象があるアクセサリーが体に合う。
itoiroさんのアクセサリーは存在感と品の両方があり、女性をより美しく魅せてくれるのが魅力。
2.軽いこと
アクセサリーは見栄えが大事だけれど、重いと長くつけているのがつらくなるのでなるべく軽いものを選びたい。
わたしのように存在感がある大振りなものが好みだと、余計に耳に負担がかからないよう、軽さを重視したくなる。
itoiroさんでは、華奢な金属パーツに糸を編んでいくスタイルなので、非常に軽い。
凝ったデザイン性はありつつも軽やかさがあり、長時間つけていても苦にならないのがポイント。
3.金具部分は14kgf(14金ゴールドフィルド)を使っているもの
ジュエリーではなくアクセサリーの場合、手頃な価格帯のものだとまだまだ金メッキを使った素材が圧倒的に多い日本のアクセサリー。
いつからかモノによって金属アレルギーが出るようになってしまったので、チタンや14kgfを使用しているかどうか金属の種類が気になり事前に確認をしたところ、ピアスパーツは14kgfという素材を使っているとのこと。
芯が真鍮で周りが14金というものだ。
金メッキの約100倍の厚さがあるので、剥がれることはほぼなく、長く愛用できる素材で、一番うれしいのは比較的金属アレルギー反応も起きにくい点。
しかも、もし長く使っていく中で14kgfも合わなくなってきたら、その他の金属や樹脂パーツで対応いただける上に、樹脂は金属に比べて曲がりやすく負荷がかかりやすいので、 折れてしまうことがあった際は新しいパーツにいつでも無料で交換してくれるそう。
永く愛用してほしいという作り手側の愛情を感じる、心遣いがうれしい。
糸のあたたかく、やさしい印象と同じくらいのこまやかなサービス精神が魅力
今回は繊細な糸の表現が細やかなためにデザインや色をなかなか一つに絞ることができず、オーダーすることを決めてから内容を固めるまでとても時間がかかった。
正直、「なんでこんなに決められないんだろう・・・」というくらいだったわたしに、それでも、「どんなことでも相談してくださいね」と毎回親身に丁寧な対応で希望をヒアリングし続けてくれた。
何回もこちら側の相談に対応してくださった
やり取りの一部を紹介。
構想やデザイン、フレームづくり、丁寧に編み上げる作業からラッピングまで、手にとる向こう側にいる人へ感謝の想いも込めながら手作業をしているitoiroさんからは、モノを通した人のあたたかい感情が手作りの端々から伝わってくる。
人と人とのコミュニケーションがモノを通じて生まれるからこそ、こういったサービス面も含め、作品のひとつなのだと感じる。
オーダーでは、迷う所が多々出てくるものなので、「もういいかな?」と妥協せず、ぜひ、気になる点は小さなことでもすべて事前に確認しておくのがおすすめ。
そうすることで、その後も安心して楽しみに作品ができあがるのを待つことができるはず。
事前に感性を確かめるお互いのコミュニケーションがあってこそ、イメージ以上のものができあがる
以前にオーダーメイドジュエリーの記事を書いたときもそうだったけれど、オーダーメイドはできあがるまで不安がぜったいにあるもの。
それは、実物を手に取るまで、出来栄えが自分のイメージと本当に合っているかわからないからだ。
それを払拭するには、事前の双方の頭の中のイメージと好みの感性を共有しておくことが必須。
今回は、好きな色合いや組み合わせ、これまでの作品画像の中で好きなもの、また「これよりはもっと幅を狭くしたい・・・」などの意向を伝えていきながら、すり合わせて完成した。
編み目が大きく、透かし模様がはっきりしているので、抜け感があり、身に着けるととても綺麗さが引き立つ。
ここで表現されている「間(ま)」や色はこれまでになかなか見たり感じたことがないもので、丁寧に編んでいく技術とセンスはどこまでも美しくあたたかみを感じる仕上がりに。
女性の揺れる感情を理解し、身につける人が「大切にしたい芯」を繊細な糸で強く美しく表現してくれる
こういった曲線からもわかるとおり、しなやかなで、女性らしい美しさが特徴のitoiroさんのアクセサリーは、女性がもつ強さと弱さ、そんな日々の浮き沈みに揺れながらも、芯をもって生きていくことをそっと後押ししてくれるような印象を受ける。
それはアーティスト自身が、迷いながらも、強く内側の純粋な心を守って生きていく、わたしたちと同じ等身大の女性だからなのだろう。
女性のライフステージやからだのリズムなど目の前で起きるさまざまな変化を受け止めながらも、その人らしい一筋の光を想像して、カラフルな糸に想いをのせて編んでいく時間が、枠にとどまらないオリジナリティにつながっているように思う。
ぜひ、この繊細で美しい糸を用いて一針、一針心を込めて制作している、西村早織さんといっしょに、あなたの中にあるたった一つの世界を表現するアクセサリーをつくってみてほしい。
わたしは結婚式ではジュエリーを身に着けたけれど、シルバーなどのラメ糸を使い、大ぶりなものにしてフルオーダーで作るウエディングアクセサリーも素敵だと思う。
そして、自分らしさが映し出されたアイテムに支えられながら、次は身近にいる大切な人と暮らしを手作りする楽しさをつくっていってはどうだろうか。
Instagram movie: Music「Heartful」by Taichiro Kawasaki
itoiro
Artist 西村 早織
(Saori Nishimura )
※出典の画像はすべてitoiro official siteより許可をいただき、掲載しています。
オンラインショップや制作風景は以下画像をクリックしてオフィシャルサイトへ↓ ↓
作品画像は随時インスタグラムにて。
今回のようなオーダーはお問い合わせを。
竹内 亜希子 Akiko Takeuchi
-植物療法士(フィトセラピスト)
-女性の健康経営推進員
-健康経営エキスパートアドバイザー
幼少より10年間シンガポールで暮らす。
帰国後、会社員として働く中で余白時間を奪われる社会の渦に揉まれ、20代半ばに坐骨神経痛を一年患い、根本改善のためにストレスケアにフォーカス。食生活改善と植物療法を実践し、3ヶ月で完治。
植物療法士として、働く世代の女性の心身のセルフケア、ストレスやホルモンバランスの体の変化をコントロールできる体質づくりを指導。
オリジナルハーブティーブレンド 販売、カフェ等の店舗向けオリジナルハーブティー商品企画・提供、大切な人とのヘルシーな時間を追求するカルチャーメディア『Documentary Gift 』を運営。
現在は、ヘルスケア企業にて、健康保険組合や企業に向けた生活習慣改善プログラムの提供・運営や健康経営推進、中でも女性の健康づくりに注力。
働く女性にとっての「からだにいい生き方」や予防のための「セルフケア」を継続する暮らしのつくり方を伝えている。
趣味:日々の楽しみは、心打つライブと毎日調合するハーブティー、そして家族と食卓を囲う時間。