ハーブティーと聞いたときに、あなたはどんなお茶を想像するだろう?
カモミール?ペパーミント?ローズ?
わたし自身もハーブティーと聞いたときのイメージはもともとは西洋の茶葉ばかり。
ティータイム文化も馴染みがないので、ホテルのアフタヌーンティーもテンションはあがるけれど普段と違うよそゆきの「特別なもの」という感覚は今でもあまり変わらない。
綺麗なティーカップに注いだお茶とケーキの組み合わせよりも、おかきやみかんと湯のみで飲む緑茶がほっとする...。
それは、日本の文化の中で暮らし、日本での味に慣れ親しんでいるからだ。
そんなことを考えていたとき、味や効能について知識をもった同じ植物療法士の西原 沙希さんから、有難いことにDocumentary Giftのハーブティーについて「日本の暮らしに溶け込む生活のお供」としておすすめしたいという感想が届いたので、今日はわたしたち植物療法士2人の目線から見たハーブティーについて紹介したいと思う。
「自分に合ったハーブティーを取り入れたいけれど、いまいちわからない...」と思っていたら、この体験談を通して、あなたが普段意識していない日本人としての感覚に気づくきっかけにしてもらえたら嬉しい。
和の味が好きだという自分の中の当たり前を見過ごさないこと
沙希さん: 「植物療法士として、ハーブティーをたしなむ機会が多い中、緑茶で育って和食が大好きなわたしには西洋のハーブはどこか「特別な味」と感じていました。
Documentary Giftのハーブティーは、サンドイッチやスイーツのお供だけでなく、お米やお弁当にも合うというのが驚き。」
【西原 沙希(Saki Nishihara)さん】
森田 敦子氏代表 (株)サンルイ・インターナショナルにてデリケートゾーンケアブランド「アンティームオーガニック」営業部に所属しながら、植物療法士としての個人活動も精力的に行っている西原 沙希さんは、植物療法の基本知識だけでなくデリケートゾーンを含めた女性のからだに特化したセルフケアアドバイスが得意。
今回、沙希さんからの「お米に合うハーブティー」という感想をうけて、「ああ、やっぱり和食が基本なんだな」という暮らしのベースが垣間見れた気持ちだった。
わたしも、料理のジャンルの中で何が一番好きかと聞かれれば迷わず「和食」と即答する。
海外に出ることで気づいたのだけれど、日本ほどバラエティに富んでいる食文化は外にはなかなかないものだと思う。
そもそも食べるジャンルのチョイスがとても多いのだ。
和食以外にも、ラーメン、カレー、洋食、中華....と選びたい放題。
育った環境によっても食生活は変化するものだが、根本は幼い頃から慣れ親しんだ味が自分自身のベースをつくっていて、味の記憶が染みついているから、それを基本にしないと習慣として続かない。
だから、よく男性が「お母さんの味が一番」と感じて、妻の機嫌をそこねる、というシーンがあるけれど、これは理にかなっている。
慣れ親しんだ当たり前の味。
お茶選びに迷ったときは、今回のような「和が好き」といった、自分の中で当たり前になっている基準になる味の記憶を辿ってみることをおすすめする。
毎日ごはんを食べるからこそ、食事と共にする飲みやすいハーブティーを選ぶと習慣化できる
あなたが毎日することはなんだろうか?
お風呂?睡眠?排泄?
断食でもしない限り、食事と睡眠がトップのはず。
じゃあ、食事のときに飲む飲み物は?
お酒以外なら「お水」「日本茶(緑茶やほうじ茶など)」「ウーロン茶」あたりが多いと思う。
それは、わたしたちの主食がお米で和食を基本にしているから、無意識のうちに、和食に合う味、和食を邪魔しない味を選んでいるからだ。
実は、ハーブの中にはよもぎやドクダミ茶など和のハーブもさまざま存在しているのだけれど、ドクダミ茶は食事に合うものの、例えばよもぎは、ちょっと違う。
我が家の場合は夫から「この味あんまり好きじゃない」といわれたことがある。
たぶん草餅に使われているイメージが強いので、食事に合わないという感覚があるのだと思う。
だからこそ、日本固有のハーブに固執せず、自分の舌で「味」を選ぶほうがいい。
Documentary Giftのハーブティーは、香ばしい番茶やほうじ茶のような味の西洋たんぽぽ「ダンディライオン(ローストタイプ)」、同じく少し香ばしさのある南米原産の飲むサラダ「マテ(ローストタイプ)」、草の香りで緑茶のような味わいをもつヨーロッパ原産の「ネトル」を主体にブレンドしているので、食間、食後どちらも飲みやすい味に仕上げている。
ぜひ、和や西洋など頭で考えず、「これはごはんに合うなぁ」というフレッシュな感覚で選んでみると、自分自身の好みと合ったデイリーケアにも使えるハーブティーに出会えると思う。
「わたしは日本人で、日本食が好きなんだ」という気持ちに気づいて、ほっとする
どうして家の食卓に合うお茶を味のコンセプトとして取り入れたのか改めて思い返してみると、自分の育った思春期のことを思い出していた。
わたしは4歳から高校生まで、途中一時帰国はあったのものの、シンガポールで10年間を過ごした。
亜熱帯で多民族国家で肌の色も宗教も異なる人種が入り混じった国。
一年中、真夏の国で育った自分は、ほとんど雪を見たことがなかったし、学校で学ぶこと以外は日本のことがわからず、ずっと「故郷」と呼べる場所が見つからないコンプレックスを抱えていた。
特に、中高生の頃は「自分が何人であるのか」「何者なのか」わからない感覚で日本人だと胸をはって思えることはなかったように思う。
はじめて、ヒストリー(歴史)の授業で日本が侵略した戦争について触れられたとき、周囲には当時被害にあった国の生徒ばかりで「わたしは日本人なんだ」と自分の中に流れる血を感じて、はじめて日本を意識し始めた。
わたしが日本について知っていることはなんだろう?
幼い頃から表千家の先生をやっていた祖母に習わされていた茶道の日本文化、海外暮らしでも家では常に和食をつくってくれていた母。
いつも無意識のうちに家では日本らしい抹茶、緑茶の味を飲んできたことに今さら気づく。
沙希さんの言う、「緑茶で育ち、和食が大好きな気持ち」は、和菓子や料理に日本茶の味は欠かせないと思いながら異国で育った自分とどこかリンクしたような気持ちになっていた。
飲む人の気持ちに沿ったハーブだからこそ、1日のからだのサイクルに合わせた3種類のブレンドで、今を丁寧に過ごせる
お茶を飲む時間を毎日のごはん時と考え、日本食に合う味をベースに、セルフケアが自然とできるよう、からだのリズムに沿った効能があるハーブをチョイスしている。
この1day Rhythmハーブティーは、朝・昼・夜用の3種類。
3種類のハーブティーへのコメントもいただいたので、それぞれを紹介していこうと思う。
沙希さん: 「飲みやすさと、時間に合わせたハーブを選ぶセンスはさすがのもの。
飲む人のことをとことん考えたハーブ、生活のお供にオススメです。」
Sprout:芽吹きのお茶(朝用)
どこか香ばしく、お番茶を思わせるようなロースティーな味わいです。
だから飽きずに飲み続けられる。
ハーブティーを買っても、しばらくしたら飽きてしまって、コーヒーやお茶に落ち着いてしまう、そんな方にもオススメです。
からだを冷やしがちなフルーツと一緒に温かい朝用のお茶をいただくとホッとします。
Bloom:開花のお茶(昼用)
ランチタイムのあとに、お昼用のお茶を淹れると気持ちも切り替わります。
ランチの後は眠くなることもあり、ローズマリーの精油を使っていたのですが、お茶にブレンドされているので眠くなりにくく、頭もスッキリ、仕事にも集中できます。
午後ひと息つくのに最適。
ほんのり甘酸っぱく、甘いものを食べなくても息抜きができるようになりました。
Root:根ざしのお茶(夜用)
わたしにとって一番大切な、夜のリラックスタイム。
初めて夜用のお茶に熱湯を注ぎ、綺麗なブルーのハーブティーを見た時のときめきは、一日の疲れを癒すのに十分でした。
味も清涼感があり、一番しっかりと食事をとる夕食後にいただくと、胃も心もすっきりとした気持ちに。
人間のからだには時間のサイクルがあり、朝4時~12時までは排泄、12時~20時までは消化、20時~4時までは吸収、これを繰り返しながら、からだは巡っているので、その働きを補ってくれるハーブたち。
ハーブティーは副作用がゼロで数時間経てば汗や尿となって外に排出されていくからこそ、1日の中で1回以上はお茶を飲む時間をつくって、健やかなからだ作りをしながら、今の時間を少しでも丁寧に過ごしてほしいと思う。
欲張りでも、1日を通して自分の時間と大切な人との時間の両方を大切にしたい
沙希さんは、よく「Today's Herb Tea」をインスタグラムで投稿しているのだけれど、自分の感情に寄り添って「今日はこれにしようかな」と考えて選んだお茶の時間は、自分の内側に心を傾ける時間を少しでも取った分、より深いリラックス効果が得られるものだと思う。
わたし自身、若い頃から「一人の時間」「自分だけの時間」をがとても大事だった。
今、思えば日本の文化で感じる、余白をもつことを意識していたのだと思う。
どんなに友人やつきあっている彼との時間が楽しくても、スケジュールはアポイントメントで埋めることはしたくなくて、ふと、そこから一歩離れて客観的に自分と向き合った自分時間を取ると、それがいいバランス調整になる。
その時間があるから、ニュートラルな状態に戻り再出発できる感覚を得られるのだと思う。
モノに溢れた便利な世の中で、性別に関係なく、場所や人に限定されない働き方が広がっている今では、「自分時間」を取りたい女性は実はとても多いものだ。
それでも、わたしは家族をはじめとした大切な人との時間も同じくらい「なくてはならない、欠けてはいけない時間」だと思っている。
食卓を囲って、美味しい料理と一緒にお茶やお酒を飲む。
一人の時も気分に合ったお茶を選ぶ。
1日の時間で、家族との食事、恋人との食事、友人との食事、自分だけのほっとできる時間の余白も忘れない暮らし。
それが、日本人のアイデンティティを感じられなかったわたしに、小さい頃から祖母や母が教えてくれたお茶と食を通して「お互いがなごやかになり、親睦を深める」という和のカルチャーなのかもしれない。
今回ご紹介した1日のからだのリズムを整える「1day Rhythm」ハーブティーはこちらより。
西原 沙希さん(植物療法士)
植物の力をとりいれたシンプルライフで、こころとからだを整えるヒントや等身大の女性の生き方を発信されているので、ぜひ覗いてみてくださいね。
竹内 亜希子 Akiko Takeuchi
-植物療法士(フィトセラピスト)
-女性の健康経営推進員
-健康経営エキスパートアドバイザー
幼少より10年間シンガポールで暮らす。
帰国後、会社員として働く中で余白時間を奪われる社会の渦に揉まれ、20代半ばに坐骨神経痛を一年患い、根本改善のためにストレスケアにフォーカス。食生活改善と植物療法を実践し、3ヶ月で完治。
植物療法士として、働く世代の女性の心身のセルフケア、ストレスやホルモンバランスの体の変化をコントロールできる体質づくりを指導。
オリジナルハーブティーブレンド 販売、カフェ等の店舗向けオリジナルハーブティー商品企画・提供、大切な人とのヘルシーな時間を追求するカルチャーメディア『Documentary Gift 』を運営。
現在は、ヘルスケア企業にて、健康保険組合や企業に向けた生活習慣改善プログラムの提供・運営や健康経営推進、中でも女性の健康づくりに注力。
働く女性にとっての「からだにいい生き方」や予防のための「セルフケア」を継続する暮らしのつくり方を伝えている。
趣味:日々の楽しみは、心打つライブと毎日調合するハーブティー、そして家族と食卓を囲う時間。